研究内容

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 生物学専修は、生態系、個体、細胞、分子の各レベルにおいての生命現象の理解することにより、地球生態系における様々な生物の多様性とそれらをつなぐ共通メカニズムを明らかすることを目的としています。分子から地球生態系まで幅広い空間スケールを研究対象とする8つの研究室において、卒業研究および大学院の研究をしていきます。

研究室の紹介

伊藤悦朗研究室(物理生物学分野) 伊藤悦朗

生物は力、熱、電磁波など多くの物理量をうまく利用して生きています。逆に言えば、それらの物理量によって規定される物理法則によって支配されているともいえます。私たちの研究室では、これらの物理量の変化に最大限の注意を払いながら生物を眺める姿勢を、研究の根底に置いています。実際の研究課題は次の3点です。(1)タンパク質の超高感度測定法の開発;(2)スローエイジングの研究;(3)軟体動物腹足類の学習記憶の研究です。ご興味のある方は、是非、伊藤研ホームページに遊びに来てください。

加藤尚志研究室(分子生理学分野) 加藤尚志

地球上の7万種の脊椎動物の血流には共通して血球が流れています。ヒトでは全身の細胞数の80%以上が血球で占められます。したがって,血球生産の仕組み(造血)は,動物の基幹システムの一つであり,基礎生物学の重要な研究対象です。全ての血球は,多能性かつ自己複製能をもつ造血幹細胞に由来します。比較血液学の観点から脊椎動物における造血の普遍性と多様性を探求するために,私達は従来のげっ歯類モデルに加え,先端技術を導入して両生類や魚類の新しい動物モデルの確立を進めています。個体・細胞・遺伝子・蛋白質を解析対象にして,様々な課題に取り組んでいます。詳しい研究内容は加藤研ホームページをご覧ください。

園池公毅研究室(植物生理学分野) 園池公毅

光合成は、光のエネルギーを用いて二酸化炭素を有機物に固定する反応です。光合成は植物を底辺とした食物連鎖を通して地球上のほぼ全生物をエネルギー的に支えるばかりではなく、約30億年前に出現したと考えられる酸素発生型の光合成生物シアノバクテリアによる大気中への酸素の放出を通して現在の地球環境を成立させました。私たちの研究室では、光合成の環境応答について主に研究をしています。植物においては、環境要因として光が極めて重要な意味を持っていて、温度や、降雨、乾燥といった光以外の環境要因を扱う場合も光環境と光合成の応答を避けて通れません。私たちは、このような植物と光環境の関わりを、光合成の機能的側面に注目して研究しています。詳しい研究内容は園池研ホームページをご覧ください。

富永基樹研究室(統合細胞生物学分野) 富永基樹

自由に移動できる動物に対して,植物は根を下ろした場所から生涯動くことができません。そのような植物の細胞内を顕微鏡でのぞいてみると,「原形質流動」と呼ばれる非常に活発な細胞内運動が観察できます。原形質流動は細胞骨格(アクチン)の上をモータータンパク質(ミオシン)が運動することにより発生し,様々な植物機能の制御に関与していることが示唆されています。しかしながら,植物の細胞内輸送に関しては多くの謎が存在します。私たちの研究室では,細胞生物学・分子生物学・ライブイメージングなどの技術を駆使し,植物独特の細胞内輸送の仕組みを解明していきます。最終的には,植物の成り立ちを,分子から個体レベルまで”統合的”に理解することを目指し研究を進めています。詳しい研究内容は富永研ホームページをご覧ください。

西村芳樹研究室(分子遺伝学分野) 西村芳樹

ミトコンドリアや葉緑体は、かつて独立した生を営んでいた細菌が、真核細胞の祖先にとりこまれ、奇跡的に共生関係を樹立したものであると提唱されています。その証拠に、ミトコンドリアや葉緑体には独自のDNAや遺伝発現系が維持されており、これらは呼吸や光合成の基盤として、地球上の生命活動を支えています。ミトコンドリアや葉緑体のDNA―タンパク質複合体(核様体)は、環境や発生段階に応じて多様に形、数、分布を変化させ、有性生殖においては母性遺伝します。私たちは、先端的顕微鏡技術や分子遺伝学、生化学などの多角的アプローチにより、これらの不思議な挙動の根底にある分子機構を解き明かすことで、ミトコンドリアや葉緑体のより深い理解と、生命科学の新領域展開を目指しています。詳しくは、西村研ホームページ(準備中)をご参照ください。

花嶋かりな研究室(発生生物学分野) 花嶋かりな

発生は少数の幹細胞が分裂と分化を繰り返すことで複雑かつ再現性の高い組織をつくりあげていく、ダイナミックなプロセスです。脳をつくる幹細胞は、各組織幹細胞の中でも時間や環境に対する感受性が高いことが知られますが、時空間情報がどこで生み出され(コーディング)、どのように細胞のふるまいに変換されるのか(デコーディング)についてはまだよくわかっていません。当研究室では大脳皮質を主なモデルシステムとして、時空間制御のメカニズムを分子、細胞、組織の多階層間で解析することで、発生プログラムを担う新たな機構を探索し、その動作原理を明らかにすることを目指しています。研究内容にご興味のある方は是非花嶋研ホームページをご覧ください

細将貴研究室(進化生物学分野) 細将貴

いま、私たちが目にしている豊かな生物多様性は、この地球において膨大な時間のなかで自律的に繰り広げられてきた進化の産物です。進化という生命現象は、遺伝物質の継承に関わる物理的な過程と、それに伴う偶然性、そして生命という複雑なシステムのなかで生じるさまざまな制約によって記述されます。私たちの研究室では、自然史研究に根ざしつつ、ひろく進化生物学、特に動物の進化生態学を中心に学究を深め、進化の謎解きを進めています。具体的な研究内容については、細研ホームページ(準備中)をご参照ください。

吉竹晋平研究室(環境生態学分野) 吉竹晋平

私たちが何気なく見ている草原や森林では、無数の生き物たちの生命の営みに物理化学的プロセスが合わさり、水・エネルギー・炭素や窒素などの元素が循環しています。私たちの研究室では主に森林などの陸域生態系を対象として野外調査(フィールド調査)や室内実験を行い、これらの循環とそのメカニズムを明らかにしようとしています。また、生態系の構造と機能を理解するうえで重要な要素の1つでありながら最も研究が遅れているものが土壌圏ですが、私たちは植物根や土壌有機物、土壌微生物などに着目した研究も行うことで身近な生態系をより深く理解することを目指しています。野外調査をベースにした研究に興味がある方はぜひ研究室ホームページもご覧ください。

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